クセがなくさっぱりとした味わいのレタスはサラダにかかせない食材で、食卓に登場する機会も多いですよね。
スーパーやドラッグストアに行くと、「レタス〇個分の食物繊維」という表記がある商品を目にしたことはありませんか?
レタスは食物繊維が豊富で美容や健康に良いというイメージをなんとなくお持ちの方もいらっしゃると思います。
しかし、レタスには食物繊維がどのくらい含まれていて、どのような効果があるのか疑問に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、レタスに含まれる食物繊維やレタスに含まれる栄養素について解説します!
レタスの旬は6~9月で、年間で流通量が最も多くなる時期です。旬のレタスはみずみずしく、シャキッとした食感でほのかな甘みがあります。
美味しいレタスを選びたいときは、以下の基準を元に選びましょう。
・葉先が色濃いもの
・葉にハリがありみずみずしいもの
・巻きがふんわりしているもの
・切り口の部分が10円台の大きさで白いもの
上記のポイントは、美味しいだけでなく鮮度の良いレタスにも共通しています。
切り口が赤くなっているものや、茶色くなっているものは鮮度が落ち始めているので、レタスを購入するときはこれらのポイントを確認してみてくださいね。
また、レタスにはさまざまな名前がありますが、大きく4種類に分かれています。種類によってどのような特徴があるのか解説します。
・結球型の玉レタス(最も多く見かける通常のレタス)
→シャキシャキした食感が特徴。淡泊な味わいでクセがないので幅広い料理に活用できる。
・結球していない葉レタス
→葉が柔らかく、苦みが少ないのが特徴。サラダに最適。
・立ち型のロメインレタス
→葉はしっかりとした食感で、外側の葉に少し苦みがある。シーザーサラダによく使用される。
・茎を食べる茎レタス
→茎部分は硬めでシャキシャキした食感。葉は柔らかく、やや苦みがある。茎レタスは「ステムレタス」や「山東菜」とも呼ばれており、中華料理などでよく使用される。
このように、レタスは種類によって風味や食感が変わるので、料理によって使い分けをすることで、より一層食事を楽しむことができますよ。種類ごとのおすすめの調理法を上記の画像にまとめたので、よろしければ参考にしてくださいね。
スーパーやドラッグストアで「レタス〇個分の食物繊維」と表記されている商品を見ると、レタス=食物繊維が多い食べ物という捉え方をする人もいらっしゃると思います。
実際にはレタスの食物繊維は多いのでしょうか?
以下で詳しく解説していきます。
レタス1枚(100g)あたり | |
---|---|
エネルギー | 11kcal |
塩分 | 0g |
タンパク質 | 0.6g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 2.8g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 19mg |
マグネシウム | 8mg |
鉄 | 0.3mg |
βカロテン | 240μg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
葉酸 | 73μg |
ビタミンC | 5mg |
食物繊維 | 1.1g |
レタス100g(2~3枚分)あたりの食物繊維は1.1g、レタス300g(1玉分)の食物繊維は3.3g程度なので、レタスの食物繊維の量は他の野菜と比べてもそれほど多いとは言えません。しかし、レタスは食物繊維の他にもビタミンCや葉酸、βカロテンなどのビタミン、カルシウムやカリウムなどのミネラルなど栄養素をバランス良く含んでいます。
参照/食品成分データベース
では、レタスと同様に結球している野菜であるキャベツの栄養価と比較するとどうでしょうか。
キャベツ1枚(100g)あたり | |
---|---|
エネルギー | 23kcal |
塩分 | 0g |
タンパク質 | 1.2g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 5.2g |
カリウム | 190mg |
カルシウム | 42mg |
マグネシウム | 14mg |
鉄 | 0.3mg |
βカロテン | 24μg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
葉酸 | 66μg |
ビタミンC | 38mg |
食物繊維 | 1.8g |
レタス1枚(100g)あたり | |
---|---|
エネルギー | 11kcal |
塩分 | 0g |
タンパク質 | 0.6g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 2.8g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 19mg |
マグネシウム | 8mg |
鉄 | 0.3mg |
βカロテン | 240μg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
葉酸 | 73μg |
ビタミンC | 5mg |
食物繊維 | 1.1g |
レタスの食物繊維の量はキャベツに比べるとやや少なめですが、レタスに含まれるβカロテンはキャベツの10倍も多く含まれています。また、レタスはカロリーや炭水化物が低いことも分かります。
レタスは品種によって食物繊維の量が変わってきます。例えば、葉レタスの一種であるサニーレタス100gあたりの食物繊維は2.0gであり、玉レタスの約2倍に相当します。
また、食物繊維だけでなくβカロテンの含有量も変わってきます。
例えば、リーフレタス100gあたりのβカロテンは2300μgと、玉レタスの約10倍も栄養価が増加します。
なぜレタスの品種によって栄養価に違いが出るのでしょうか。
それは、野菜の分類が異なるからです。
野菜は大きく、「その他の野菜(単色野菜)」と「緑黄色野菜」に分けられています。
これらの分類は、野菜に含まれるカロテンを基準にして決められています。
単色野菜と呼ばれている玉レタスやロメインレタスは、厚生労働省や農林水産省では「その他の野菜」に分類されています。
一方、サニーレタスやサラダ菜、グリーンリーフは「緑黄色野菜」に分類されます。
原則として可食部100g当たりカロテン含量が600μg以上の野菜のことを「緑黄色野菜」、600μg以下の野菜のことを「その他の野菜」といいます。
その他にも、「緑黄色野菜」にはビタミンCやビタミンK、葉酸、ミネラルなども多く含まれているという特徴もあります。
以上のことから、「その他の野菜」に分類される玉レタスやロメインレタスと「緑黄色野菜」に分類されるサニーレタスやサラダ菜には栄養価に違いが出ます。
参照/厚生労働省|e-ヘルスネット 緑黄色野菜
ここからは、レタスに含まれている他の栄養素について、代表的な5つをご紹介していきます。
βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれており、摂取すると体内でビタミンAに変換されて作用し、目や皮膚、粘膜の健康に役立ちます。
ビタミンAが不足すると肌荒れや粘膜に細菌が侵入しやすくなり風邪の原因になることもあるため、βカロテンを積極的に摂取し強い体をつくりましょう。
カルシウムは体の機能維持や調節にかかせないミネラルの一つ。
丈夫な骨や歯をつくるのに役立ち、精神の緊張や興奮を緩和する効果があります。
カルシウムはビタミンDを含むきのこ類や鮭などと一緒に摂取すると吸収率が上がるといわれています。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、皮膚や粘膜を丈夫に保ち、シミを予防する効果が期待されています。
また、それだけでなく風邪予防やストレス対策にもなるため、身体の内側と外側の健康維持に役立つビタミンと言えます。
ビタミンCは体内で合成できないので、食事から摂取しなくてはなりませんが、一つ注意点があります。
それは、ビタミンCは水溶性の為、熱に弱く加熱調理により分解されやすくなるということです。ですので、レタスを加熱調理する場合は、炒め物やスープといった油や煮汁ごと食べることができる料理にするなど、ビタミンCの損失を減らせるよう工夫しましょう。
ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ち、老化の原因となる過酸化脂質の増加を防ぎます。
過酸化脂質が増加するとシミやしわが増えるだけでなく、血管で血栓をつくり、動脈硬化の原因になることも。
ちなみに、ビタミンEは脂質と一緒に吸収されるので、油で炒めるとより効率よく栄養を摂取することができます。
また、ビタミンCもビタミンEと同様に抗酸化作用があり過酸化脂質の生成を抑える働きをもっています。
レタスはビタミンEとビタミンCの両方を含んでいるので2つのビタミンを効率よく摂取することができます。
参照/厚生労働省|e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン
公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット ビタミンEの働きと1日の摂取量
葉酸は造血や胎児の発育にかかせないビタミンです。
葉酸が不足すると、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こすおそれや、巨赤芽球性貧血になる危険性があります。
通常の食事を摂っていれば葉酸が不足することはありません。しかし、成長期の子どもの場合は葉酸が大量に消費されるため、注意が必要です。
巨赤芽球性貧血を予防するためにも、食事から積極的に葉酸を摂取するよう心がけましょう。
参照/公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット 葉酸の働きと1日の摂取量
消化・吸収されない食物繊維は、昔は栄養がないものと考えられました。しかし、その後の研究によりさまざまな効果が明らかになり、現代では「第6の栄養素」としてその重要性が認識されるようになりました。
食物繊維は主に不溶性と水溶性の2種類に分けられます。
不溶性食物繊維はその名のとおり、水に溶けにくい性質を持っており、主に野菜や穀類、豆類に多く含まれています。
一方、水溶性食物繊維は、水に溶やすいもので、熟した果物や海藻、植物の種子、葉、根などに多く含まれています。
玉レタス100gにはどのくらいの食物繊維が含まれているのかですが、
不溶性食物繊維が1.0g、水溶性食物繊維が0.1gと不溶性食物繊維の方が多く含まれています。
レタスには水溶性食物繊維がほとんど含まれていないので、きのこ類やこんにゃく、大麦などの水溶性食物繊維を多く含む食品を一緒に摂りましょう。そうすることで、足りない水溶性食物繊維を補うことができます。
不溶性食物繊維も水溶性食物繊維も体内に吸収されないという部分は共通していますが、健康に役立つ効果はそれぞれ異なります。
不溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やし便通を良くし、有害物質の排出を促す効果があります。
一方、水溶性食物繊維はナトリウムの排出を促し、血圧をコントロールします。また、それだけでなく、ブドウ糖・コレステロールの栄養の吸収をゆるやかにし、血糖値・コレステロール値をコントロールする働きもあります。
参照/公益財団法人長寿科学振興財団|健康長寿ネット 食物繊維の働きと1日の摂取量
厚生労働省が発表した2020年日本人の食事摂取基準によると、食物繊維の1日の摂取基準は18歳~64歳の男性の場合21g以上、18歳~64歳の女性の場合18g以上と設定されています。18~64歳男性の場合、1日に必要な食物繊維はレタス6.5個分に相当します。1日で6.5個のレタスを食べるのは難しいので、他の食材を組み合わせながら上手に食物繊維を摂取するようにしましょう。レタス以外に食物繊維が多い食べ物を下記にまとめました。よろしければ参考にしてください。
参照/「日本人の食事摂取基準」策定検討会 日本人の食事摂取基準(2020年版) P165
通常の食事では食物繊維の過剰摂取の心配はなく、むしろ食物繊維が足りていない日本人が多いのが現状です。そのため、意識して摂取することをお勧めします。
レタスに含まれる食物繊維や他の栄養素についてご紹介しました。レタスは食物繊維やβカロテン、ビタミンC、葉酸などの栄養素をバランスよく含んでいます。また、クセがなくさっぱりした味わいのレタスは、サラダだけでなく、スープや炒め物などさまざまな料理に合う使いやすい野菜です。日々の食生活にレタスを摂り入れ、健康維持に役立てましょう。