えのきはクセが少なくどんな料理にも合う万能の食材で、価格もお手頃であることから、ご家庭でも登場する機会が多いのではないでしょうか。
えのきは低カロリーなのに、栄養豊富であり、特にビタミンB1の含有量がきのこの中でもトップクラスです。
この記事ではえのきと他のきのこの栄養を比較しながら詳しく解説していきます。えのきを使ったおすすめレシピもご紹介しますので、よろしければ最後までご覧ください♪
1.えのきの栄養
2.えのきの選び方
①美味しいえのきの選び方
②えのきと茶えのきは何が違う?
3.えのきの保存方法
①1週間以内に消費する時は冷蔵庫で保存
②冷凍庫なら1カ月程度保存可能
4.えのきを使ったおすすめレシピ
③【アスリート飯】美容を気にするあなたに!簡単!塩麴入り卵スープ
5.まとめ
えのきには疲労回復を促す効果があるといわれているビタミンB1や皮膚や髪の健康に良いとされるビタミンB2、神経の興奮を抑えるのに効果的なマグネシウムなどの栄養が含まれています。ここでは、えのきに含まれる栄養を細かく解説していきます。
1袋(100g)あたり | |
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エネルギー | 34kcal |
塩分 | 0g |
タンパク質 | 2.7g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 7.6g |
カリウム | 340mg |
リン | 110mg |
鉄 | 1.1mg |
マンガン | 0.07mg |
ビタミンD | 0.9μg |
ビタミンB1 | 0.24mg |
ビタミンB2 | 0.17mg |
ナイアシン | 6.8mg |
葉酸 | 75μg |
食物繊維 | 3.9g |
■ビタミンB1
ビタミンB1は炭水化物の代謝を促進し、食欲不振にも効果があります。暑い日が続き食欲が落ちやすくなる夏には積極的に取り入れることをおすすめします。ビタミンB1が不足すると、糖質を摂取してもエネルギーに変えることができず、疲労物質が溜まり疲れやすくなります。ビタミンB1は日本人に不足しがちな栄養素なので、日ごろから積極的に摂取するようにしましょう。
■ビタミンB2
ビタミンB2は糖質、脂質、タンパク質を分解して効率よくエネルギーに変える補酵素としての働きがあります。ビタミンB2が不足すると、糖質、脂質、タンパク質の代謝に支障をきたしやすくなるので、エネルギーの消費量が多くなる妊娠中の女性や成長期の子どもは特に摂取するよう心がけましょう。
■ビタミンD
きのこ類に多く含まれているビタミンDは骨の形成にかかせないビタミンです。ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、乳製品を一緒に摂ることでカルシウム全体の吸収率を上げることができるので、ビタミンDとカルシウムは一緒に摂取するのが良いとされています。
■カリウム
えのきに含まれるカリウムは、余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。そのため、えのきは、高血圧の方にはおすすめの食材です。
カリウムは不足しやすい栄養素で、加熱に弱い性質があります。栄養の損失を防ぐためにも煮汁ごと食べられる料理にすると良いでしょう。また、食塩と一緒に摂取すると、ナトリウムと一緒に体外へ排出されてしまうので薄味で調理することをおすすめします。
■鉄
貧血を予防するのに効果的とされる鉄はえのきにも含まれています。特に女性は慢性的な鉄不足により貧血の症状がでることが多く、貧血以外にも疲労感、無力感、食欲不振になることもあります。無理なダイエットも貧血を引き起こしやすくなるので、日ごろから意識して鉄を摂取しましょう。
■マグネシウム
マグネシウムは心疾患や神経の興奮を抑え安定した精神状態を保つために有効的とされています。マグネシウムはお酒を多く飲む方、コーヒー・紅茶をよく飲む方、野菜が嫌いな方などが不足しやすい傾向にある栄養素です。特にお酒を大量に飲む方は、血中濃度が上昇することでマグネシウムがアルコールと一緒に体外へ排出されてしまうので、おつまみなどでマグネシウムを摂取するようにしましょう。
■葉酸
造血、発育にかかせない葉酸は、幼児や妊娠中・授乳中の方にはかかせないビタミンです。葉酸が不足すると発育に影響を及ぼすこともあるので意識的に摂取しましょう。
■食物繊維
腸内環境を整え、善玉菌を増やします。また、食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑える効果もあります。ただし、食物繊維の過剰摂取はミネラルの吸収を阻害するので、摂りすぎには注意しましょう。
えのきの主な栄養成分であるビタミンB1、B2は水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく熱に弱い性質をもっています。調理法によっては栄養の半分近くを失ってしまうこともあるため、えのきの栄養を摂取するにはスープや味噌汁などの煮汁ごと食べられる料理がおすすめです。
また、えのきの栄養を効率よく摂取するコツは、にんにく・玉ねぎ・長ねぎ・にらなどのアリシンを多く含む食材と一緒に調理することです。アリシンはビタミンB1と結合するとアリアチミンが生成され、吸収率が高まり体に長くとどまります。ビタミンB1とアリシンを一緒に摂取することでスタミナ効果や、免疫を高める効果があるといわれています。
ビタミンB1とアリシンを一緒に摂取できる、えのきと長ねぎを使ったお味噌汁は簡単に作れるのでおすすめです。よろしければ下記の記事のレシピを参考にしてみてくださいね。
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【鬼速レシピ】アレンジ自由自在!ホッとあったまるえのきのお味噌汁
生のえのきと茹でたえのきの栄養の変化について、水に溶けやすいといわれている、ビタミンB1・ビタミンB2・カリウム・葉酸の4項目を画像にまとめました。
参考/食品成分データベース
えのきは茹でると栄養が減ってしまうので、茹でた煮汁ごと飲むなど工夫して摂取しましょう。
きのこの主な栄養素である、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンD・食物繊維を比較してみました。
えのきは、しいたけ、しめじ、まいたけに比べるとビタミンB1の含有量が多いことが分かります。
また、えのきを含むきのこ類はカロリーが低く、食物繊維を含むため、ダイエットしたい方にもぴったりな食材です。
新鮮でおいしいえのきの選ぶには、
・軸の長さが揃っていること
・ハリがあって白いもの
であるかをチェックすることが大切です!少し古くなったえのきは色が黄色っぽくなったり、カサが開いていたりします。購入するときはこれらのポイントを押さえて購入すると良いでしょう。
現在多く流通している白色のえのきは、純白系種菌というものに品種改良されものです。適切な湿度と温度が管理された環境のもとで、日光を浴びず暗所で栽培されているので白く成長します。一方、茶色えのきは自然の環境下で日光を浴びながら育つため、メラニン色素がつくられ、茶色っぽい見た目になります。
両者とも栄養価に大きな違いはありませんが、白いえのきと茶えのきの大きな違いはなんといってもその食感と味にあります。
原種のえのきに近い品種の茶えのきは、幹が太くザクザクした食感で味が濃く、ぬめりが強いのが特徴です。また、茶えのきはコクがあるので、炊き込みご飯や肉巻きにすると旨みがより引き立ち、歯ごたえも良いため食べ応え抜群です。茶えのきは、ブラウンえのき・山えのき・柿の木茸などさまざまな商品名で売られているので、是非チェックしてみてくださいね。
えのきは水気に弱い性質があるので、袋についた水滴がえのきに付着すると傷みの原因になることも。購入したら袋から出して、キッチンペーパーに包み、食品用保存袋に入れて冷蔵保存しましょう。
えのきは冷凍保存もできます。えのきを購入したら、早めに袋から取り出し、水分を拭き取ってから切り分けて保存袋で冷凍保存するようにしましょう。水分が付いたままの状態で冷凍すると品質劣化に繋がる恐れがあるので、えのきについている水分はしっかり拭き取ってください。以下の記事では、えのきの冷凍保存について詳しく解説しています。よろしければ参考にしてくださいね。
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えのきは低カロリーでありながら栄養価が高く、さまざまな料理に使うことができる万能食材です。炒め物やスープなどにえのきをプラスするだけで手軽に栄養を摂取でき、料理の風味をより引き立たせることができます。
えのきを積極的に摂取し、健康維持に役立てましょう。
参照/食品成分データベース 、平成21年4月10日 発行所:主婦の友社 発行者:神田高志 監修:聖徳大学教授・医学博士 中嶋洋子/医学博士・健康科学大学教授・DHC研究顧問 蒲原聖可/相模女子大学教授 阿部芳子、2014年12月25日 発行所:株式会社池田書店 発行者:池田豊 監修者:相模女子大学栄養科学部 吉岡有紀子