じゃがいもは幅広い料理に使われる人気の野菜ですが、カロリーや糖質について気になる方も多いのではないでしょうか。
特にダイエット中は、どのくらいの量を食べても大丈夫か気になりますよね。
この記事では、
・じゃがいものカロリーや糖質
・健康的な食べ方
・ダイエット中におすすめの低カロリーレシピ
などを詳しく紹介していきます。
①ダイエット中はどの調理法が良い?揚げる・蒸す・炒めるを比較!
③フライドポテトやポテトチップスはNG?どうしても食べたい時の選び方を解説
3. じゃがいもに含まれる代表的な栄養素とその健康効果について
①でんぷん
③カリウム
④食物繊維
Q2.ダイエット中にじゃがいもを食べるおすすめのタイミングとは?
8.まとめ
じゃがいもは炭水化物を多く含んでいますが、実は低カロリーな食品で、ダイエットにも適した食材です。
ここでは、じゃがいものカロリーや糖質が他の食品と比較してどのような特徴があるのかを詳しく解説します。
じゃがいも1個(150g)あたり約89kcalと、他の炭水化物に比べると比較的低カロリーです。
例えば、ご飯150g(茶碗1杯分)あたりは約234kcal、パン60g(6枚切り)あたりは約149kcal※1なので、じゃがいもは低カロリーといえます。
ただし、量を食べすぎるとカロリーは増えるため、適量を守ることが大切です。
※参照1/食品データベース
じゃがいもの糖質量は1個150gあたり約24.2gです。
これは他の野菜に比べるとやや高めですが、ご飯150g(茶碗1杯分)あたりの糖質は約55.2g、パン60g(6枚切り)あたりは約26.5gで、じゃがいも1個あたりの糖質はこれらよりも低いことが分かります。
一見、食パンも糖質が低く見えますが、じゃがいもとご飯は150gなのに対し、食パンは60gで比較しています。
同じ150gで換算すると糖質が69.6g※2であり、食パンはご飯以上に糖質が高いのです。
また、じゃがいもにはでんぷんが多く含まれているため、白米と比べて血糖値が上昇しにくいと言われています。※4
糖質が多い食事は、血糖値が急激に上昇して、血糖値がうまく下がらなくなってしまいます。
さらに、この状況が長く続くと血管が傷ついて動脈硬化を引き起こし、糖尿病などさまざまな病気を発症する原因にもなります。※3
そのため、食事を摂取する際は糖質を過剰摂取しないよう気を付けましょう。
※参照2/食品データベース
※参照3/食欲の秋!糖質は減らしすぎない!|一般財団法人日本予防医学協会
※参照4/じゃがいもは太る!?糖質の種類をよく知って、じゃがいもを賢く食べよう|野菜科学研究会
食品成分(100gあたり)※1 | エネルギー(kcal) | 糖質 |
---|---|---|
じゃがいも | 59kcal | 16.1g |
にんにく | 129kcal | 21.3g |
さつまいも | 126kcal | 29.7g |
かぼちゃ | 78kcal | 17.1g |
ブロッコリー | 37kcal | 1.5g |
長ネギ | 35kcal | 5.8g |
にんじん | 35kcal | 6.5g |
ミニトマト | 30kcal | 5.8g |
パプリカ | 28kcal | 5.6g |
キャベツ | 23kcal | 3.4g |
上記の表は100gあたりのカロリー、糖質量です。
じゃがいものカロリーはキャベツやブロッコリーと比べるとやや高めですが、さつまいもやかぼちゃと比べると低めです。
また、他の野菜に比べて糖質がやや高めではあるものの、その分腹持ちが良いため食事量をコントロールしやすいのが特徴です。
食品成分(100gあたり)※1 | エネルギー(kcal) | 糖質 |
---|---|---|
じゃがいも | 59kcal | 16.1g |
こんにゃく | 194kcal | 5.4g |
さつまいも | 126kcal | 29.7g |
長芋 | 108kcal | 21.2g |
さといも | 53kcal | 10.8g |
さつまいもや長芋と比べても、じゃがいもはカロリーが低めです。
100gあたりのカロリーは、さつまいもが約126kcal、長芋が約108kcalです。
これらに比べ、じゃがいものカロリーは59kcal※5なので芋類の中でもカロリーの高さは中間~やや低めの位置づけとなっています。
※参照5/食品データベース
じゃがいもは調理法や工夫次第で、カロリーを抑えつつ栄養をしっかりと摂取することができます。
この章では、ダイエット中でも安心してじゃがいもを取り入れるための具体的な食べ方や調理の工夫について解説します。
上記の通り、じゃがいものカロリーは、調理法によって大きく変わります。
揚げたり、炒めたりするとじゃがいもが油を吸収しやすくなるため、カロリーが高くなります。
ダイエット中はカロリーの摂取を抑えながら、じゃがいもの栄養を摂取できる「蒸す」または「茹でる」方法が最適です。
特に、こふきいもは油を使わずに調理できるので、カロリーを抑えたい方におすすめです。
まず、血糖値が上がると身体にどのような影響を及ぼすのかを説明します。
血糖値が急上昇すると、脳は血糖値を下げなければいけないと判断し、より多くのインスリンが分泌され、それによって脂肪を溜めこみやすくなります。※6
そのため、血糖値の急上昇を防ぐことはダイエットに不可欠であり、じゃがいもはこれに一役買ってくれます。
じゃがいものでんぷんには「レジスタントスターチ」という成分が含まれていて、血糖値の上昇を抑える働きがあります。※7
レジスタントスターチは加熱後の冷却により増加するため、じゃがいもを加熱して冷ましてから食べるポテトサラダやビシソワーズ(じゃがいもの冷製スープ)などの料理がおすすめです。
※参照6/”ごちそう”にご用心|都道府県支部 全国健康保険協会
※参照7/じゃがいもは太る!?糖質の種類をよく知って、じゃがいもを賢く食べよう|野菜科学研究会
フライドポテトやポテトチップスは、揚げることでカロリーや糖質が高くなるので、頻繁に食べるのは避けましょう。
ただし、完全にNGというわけではなく、選び方や食べ方の工夫次第では楽しむこともできます。
例えば、ノンフライヤーという油を使わずに揚げ物が作れる家電を使って調理したり、ノンフライ製品を選んだりすると良いでしょう。
ノンフライヤーで調理した場合、脂肪分が最大80%カットできます。※8
ノンフライヤーを使用することで、油を使わずに素材の旨味を引き出しつつ、揚げ物特有のカリッとした食感を楽しむことができます。
フライドポテトやポテトチップスなどのスナック類もノンフライヤーで作ることができ、カロリーを抑えたまま満足感を得られるため、ダイエット中や健康を意識している方に最適です。
※参照8/みんなのノンフライヤーのある暮らし―ノンフライヤーの疑問に答えます! Philips
じゃがいもには、私たちの健康を支えるさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
本章では、じゃがいもに含まれる主要な栄養素とその健康効果について詳しく解説します。
じゃがいもの主な栄養成分は炭水化物の一種であるでんぷんです。
じゃがいものでんぷんは消化速度が遅く、体内でゆっくりとエネルギーに変換されるため、血糖値の急上昇を抑える効果があります。
さらに、歯の再石灰化(歯の修復を助ける作用)を促進する働きもあります。※9
※参照9/ジャガイモの栄養化学(Ⅱ)~自然のチカラ、ファイトケミカル~|カルビー株式会社 R&DDEセンター基礎研究チーム 奈良 一寛 (Nara, Kazuhiro PhD)
ビタミンCはコラーゲンの生成を助けるほか、抗酸化作用を持ち、体調を整える役割を果たします。
じゃがいもに含まれるビタミンCは、でんぷんの粒に覆われているため、加熱しても失われにくいという特徴があります。※10
ビタミンCは体内で合成できない栄養素のため、健康を保つためにも積極的に摂取しましょう。
※参照10/まるごと探求!世界の作物 ジャガイモの大百科|編者:森 元幸|P36
カリウムは、血圧の調整や体内のナトリウムの排出を促す効果があります。
ナトリウムとは、主に食事で食塩(塩化ナトリウム)として摂取される必須ミネラルです。
体内の水分バランスを維持するために必要な栄養素ですが、過剰摂取は血圧上昇の原因となります。※11
このナトリウムによる血圧上昇を防ぐ働きをしてくれるのが、カリウムです。
カリウムを十分に摂取することで、余分なナトリウムを尿として体外へ排出でき、血圧上昇を防ぎやすくなります。※12
カリウムは動物性食品や植物性食品に豊富に含まれているので、通常の食事を摂っていれば不足する心配はありませんが、塩分過多が気になる方は積極的に摂取したい栄養素の1つです。※13
※参照11/厚生労働省 e-ヘルスネット|ナトリウム
※参照12/厚生労働省 e-ヘルスネット|カリウム
※参照13/健康長寿ネット|カリウムの働きと1日の摂取量
食物繊維とは、体内で消化・吸収されない成分の総称です。
食物繊維は以下の2種類に分類されます。
① 水溶性食物繊維…
糖やコレステロールの吸収抑制
② 不溶性食物繊維…
排便の促進効果
じゃがいもは皮付近にも食物繊維が多く含まれているので、皮ごと調理することで、より多くの食物繊維を摂取することができます。
クロロゲン酸は、コーヒー豆やじゃがいもに含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用のある栄養素です。
クロロゲン酸を摂取すると、脂肪の消費量がアップし、内臓脂肪が低減するともいわれています。※14
※参照14/ポリフェノールの種類と効果と摂取方法|健康長寿ネット
じゃがいもは季節や品種によって風味や食感が異なります。
本章では、旬の時期に合わせたじゃがいもの選び方や、料理に適した品種の特徴、そして購入時にチェックすべきポイントについて詳しく解説します。
じゃがいもの旬は春と秋で、特に3月から5月、9月から11月が最もおいしい時期です。
特に、春に出回る新じゃがいもは皮が薄く、水分が多いのが特徴で、皮ごと美味しく食べることができます。
通常のじゃがいもに比べ、新じゃがいものビタミンCの含有量は約4倍に相当し、レモン1個分に匹敵します。※15
※参照15/旬の食材と栄養 「新じゃが」|京都済生会病院
じゃがいもにはさまざまな品種があり、それぞれ肉質や食感が異なります。
ここでは、代表的な5つの品種をご紹介します。
男爵薯(だんしゃくいも)
粉質で、加熱するほどホクホクした食感になる。
貯蔵性が良く、低温で長時間保管しておくと糖度が増し甘味が増す。
煮崩れしやすいため、コロッケやポテトサラダがおすすめ。
キタアカリ
前述の男爵薯と同様に、粉質でホクホクしており、なめらかな食感。
黄色い果肉が特徴。
こちらも煮崩れしやすいので、コロッケやポテトサラダがおすすめ。
メークイン
長卵形をしており、皮の凹凸が少ない。
果肉のきめが細かく、しっとりとしており、なめらかな舌触り。
煮崩れしにくいため、カレーやシチュー、肉じゃがなどの煮込み料理に最適。
とうや
果肉は黄色く、やや粘質であり、しっとりとした食感。
煮崩れしにくく、煮込み料理におすすめ。
インカのめざめ
果肉は濃い黄色で、食感は粉質と粘質の間。
栗やさつまいもに風味が似ており、別名「栗じゃが」と呼ばれるくらい甘味が強い。
煮崩れしにくいので、幅広い料理に合う。※16
このように、「粉質系」と呼ばれている男爵薯やキタアカリは煮崩れしやすく、「粘質系」のメークイン、とうやは煮崩れしにくいという特徴があります。
料理の目的によって使い分けてみてくださいね。
※参照16/じゃがいもの品種の選び方 農作業のツボ|相談できる農業・園芸資材専門店の JAファーム
じゃがいもを選ぶときは下記のポイントを基準にしましょう。
・持った時に重量感があるもの
・皮がしなびておらず、しっかりと固いもの
・傷がついていないもの
反対に、以下の特徴があるじゃがいもは避けましょう。
芽が伸び始めているもの
表面が緑色になっているもの
芽が出ていたり、表面が緑色になっているじゃがいもは天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれています。
これらを過剰摂取すると、吐き気や下痢、嘔吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状がでることがあります。
上記の特徴のあるものは避け、保管中に芽が生えてしまった時は、調理の際に綺麗に取り除きましょう。※17
万が一、これらのじゃがいもを食べて上記のような症状が出たときは速やかに病院へ受診してください。
※参照17/ジャガイモによる食中毒を予防するために|農林水産省
じゃがいもは新聞紙に包んで、風通しの良い冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
野菜室での保存期間は約1カ月です。
じゃがいもは室温が15℃以上になると芽が出やすくなるため、温度管理に注意が必要です。
また、りんごと一緒に保存すると、りんごから出るエチレンガスの作用で芽が出にくくなるので、ぜひ試してみてくださいね。
【アスリート飯】和風イタリアン!じゃがいもの大葉ジェノベーゼ風
じゃがいもをベースにした大葉ジェノベーゼ風ソースで、和風とイタリアンの融合を楽しめます。
大葉の風味がさわやかで、じゃがいもの自然な甘みを引き立てます。カロリーも低めでダイエット中の方におすすめです。
A.じゃがいもはダイエットに適しているといえます。
じゃがいもの主成分は炭水化物で、その大部分がでんぷんです。
じゃがいものでんぷんは、唾液に含まれるアミラーゼなどの消化酵素によって分解されにくいため、腹持ちが良く、過剰な食事摂取による肥満の防止にも適しているとされています。※18
また、白米100g(茶碗1杯分)と比較してもカロリーは約半分で、実は低カロリーの食品です。
ただし、油を多く使うなど調理法によってはカロリーや糖質が大幅に増えることがあるため、食べ方には注意が必要です。
参照18/まるごと探求!世界の作物 ジャガイモの大百科|編者:森 元幸|P36
A.ダイエット中でもじゃがいもを食べるタイミングに制限はありません。
ただし、夜遅くに炭水化物を大量に摂取すると、消化や代謝が低下するので、脂肪として蓄積されやすくなる可能性があります。
そのため、適切な量(1食あたり50〜100g)を心がけ、ふかしいもなどの低カロリーの調理法にすることで、夜でも安心して食べることができます。
A.じゃがいもの皮には食物繊維などの栄養素が多く含まれているため、皮ごと食べたほうが健康的といえます。
皮ごと食べることで食物繊維の働きにより満腹感が得られやすくなり、結果的に食べ過ぎを防ぐことができます。
皮ごと調理する場合は、しっかりと洗って土や泥を落としましょう。
じゃがいもは低カロリーで栄養豊富な食材であり、調理法次第でダイエットにも適しています。
特に、蒸す・茹でるなどのヘルシーな調理法を選ぶことで、カロリーを抑えつつ栄養をしっかり摂取できます。
また、でんぷんやビタミンC、カリウムなどの健康維持に役立つ栄養素が多く含まれています。
紹介した簡単レシピも活用して、ぜひじゃがいもを積極的に食事に取り入れ、健康的なライフスタイルを楽んでくださいね。