寝る前の牛乳はリラックス効果や、安眠効果があると聞いたことはありませんか?牛乳に含まれるカルシウムには緊張や興奮を緩和させる効果があります。しかし、夜に牛乳を飲むと太るのでは?と心配になりますよね。この記事では、牛乳を飲んだ時の時間帯別の効果や牛乳を飲むメリットについて解説します。また、牛乳を飲むのに飽きてしまったという方に、牛乳の簡単アレンジレシピもご紹介するのでぜひ参考にしてみてくださいね。
1. 牛乳ってどんな栄養があるの?
2. 寝る前に牛乳を飲むとどんな効果がある?
① 寝る前に牛乳を飲むと、眠れなくなる可能性がある
② 睡眠を改善したいなら牛乳は朝に飲むのがおすすめ
③ 寝る前に牛乳を飲むメリットも!
3. 牛乳は太る?痩せる?
4. 牛乳の効果と飲むタイミングのまとめ
①朝
②寝る前
③運動後
④ダイエット中
5. 牛乳のおすすめアレンジメニュー
6. 牛乳を飲む以外に睡眠を改善する方法
①朝日をたくさん浴びる
②就寝の1~2時間前にぬるめのお湯につかる
③夜に強い光を浴びない
④アロマオイルの香りでリラックス
⑤ハーブティーを飲む
7.まとめ
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引用/文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)、J-ミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版
上の表は、成人女性1日の食事摂取基準に対する牛乳コップ1杯の栄養充足率を表しています。表を見ると、牛乳に含まれるカルシウムは約35%、ビタミンB2・ビタミンB12は25%と高い栄養充足率があることが分かります。成人女性であれば、牛乳コップ1杯の摂取で1日に摂りたい量の3分の1(カルシウム)、4分の1(ビタミンB2・ビタミンB12)を摂取することができます。
引用/Jミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版
また、牛乳は良質なタンパク質やカルシウム、ビタミン、ミネラルなどの栄養が含まれています。牛乳のタンパク質の80%を占めるカゼインという成分は、体内の消化過程で分解されるとカゼインホスペプチドという物質を生成します。カゼインホスペプチドはカルシウムやミネラルと結びつきやすく、カルシウムを始めとするミネラル全体の吸収率を高める働きをします。また、ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。ビタミンDと牛乳を一緒に摂ることでカルシウム全体の吸収率を上げることができるので、牛乳を飲むときは、ビタミンDを含む鮭やきのこ類を一緒に摂取するのが良いとされています。
参考/明治の食育 第1回牛乳・乳製品の栄養素って、すごい!、一般社団法人 日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A
寝る前にホットミルクを飲むとよく眠れると聞いたことはありませんか?牛乳に含まれるカルシウムには緊張や興奮を抑える働きがあります。さらにホットミルクにすることで、身体が温まり、徐々に体温が下がっていくときに眠気が生じて眠りにつきやすくなると昔から言われています。
しかし、牛乳を寝る直前に飲んでしまうと、消化器が活動し、かえって目が覚めてしまい眠れなくなってしまうことがあります。では、睡眠を改善したい場合はいつ飲むのが一番いいのでしょうか。
牛乳に含まれる必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンを摂取すると、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの原料になるセロトニンという脳内物質に変わります。そして、14~16時間かけてセロトニンがメラトニンに変わり、眠気を感じるようになります。
セロトニンは朝から日が暮れるまでの間に作られます。朝に牛乳からトリプトファンを摂取し、セロトニンの分泌を促進させ、夜にメラトニンが分泌されることで睡眠を改善する可能性が高くなります。
夜なかなか寝付けず悩んでいる方や睡眠を改善したい方は朝に牛乳を飲むのがおすすめです。牛乳のほかにも、タンパク質を多く含む大豆製品や乳製品からもトリプトファンを摂取することができます。
参考/2014年3月31日 調べよう!実行しよう!よいすいみん③これでバッチリ!みんなのすいみん 監修:神山 潤 編:こどもくらぶ
一方で、夜寝る前に牛乳を飲むと、牛乳内のタンパク質やカルシウムが骨や骨格を形成するのに役立つと言われています。特に女性は骨粗鬆症予防の観点から、カルシウムが豊富で吸収効率も良い牛乳や乳製品の摂取が大切です。
また、牛乳には神経を沈静させる作用があり、精神安定にも有効です。寝る前にホットミルクを飲むと気分が落ち着き、リラックスできます。イライラや不安な時は寝る前にホットミルクで一息ついてみてはいかがでしょうか。寝る前に牛乳を飲む注意点として、牛乳に含まれる乳糖は、口の中に残ったまま寝てしまうと虫歯の原因になるので、飲んだ後は歯磨きを忘れずにしてくださいね。
参考/Jミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版、平成21年4月10日発行 主婦の友ベストBOOKS 完全図解版 食べ物栄養辞典 発行者:神田 高志 監修:聖徳大学教授・医学博士 中嶋 洋子 医学博士・健康科学大学教授・DHC研究顧問 蒲原 聖可 相模女子大学教授 阿部 芳子
参考/上西一弘ほか「牛乳摂取を中心とした中高生の食生活の実態と身体組成」『食の科学』光琳(2002年)、Jミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版
牛乳はカロリーが高いので太ると思われがちですが、中高生6000人を対象に行った調査では、1日あたりの牛乳の摂取状況を①400mL以上、②200~400mL、③100~200mL、④100mL未満、⑤ほとんど飲まない、の5グループに分けて調査した結果、牛乳摂取量の多いグループの方が体脂肪率が低いという結果になりました。
また、牛乳200mlに含まれるエネルギーは138kcal、脂質は7.8gです。18~29代の女性の1日あたりの必要エネルギーは1950kcal、脂質の目標摂取量は54gです。毎日200mlの牛乳を摂取した場合、1日の総エネルギーに占める割合は7.1%、脂質は14.4%です。
毎日1~2杯の牛乳を飲んでいても1日の摂取カロリーを大幅に超えるようなことがなければ太りません。牛乳のカロリーがどうしても気になるという方は、低脂肪牛乳を選ぶと良いでしょう。
参考/Jミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版
引用/2015年3月20日 発行:女子栄養大学出版部 食品の栄養とカロリー辞典 発行者:香川芳子
睡眠ホルモンであるメラトニンは脳の松果体と呼ばれる部分から分泌されます。メラトニンは眠気を感じるだけでなく、体温を下げる作用などもあるのでぐっすり眠るためにはかかせないホルモンです。朝に牛乳飲むと、牛乳に含まれるトリプトファンがセロトニンという脳内物質に変わり、14~16時間後にメラトニンの分泌を促すので睡眠の改善が期待できます。
参考/2014年3月31日 調べよう!実行しよう!よいすいみん③これでバッチリ!みんなのすいみん 監修:神山 潤 編:こどもくらぶ
夜寝る前に牛乳を飲むと、牛乳中のたんぱく質やカルシウムが骨や骨格を形成するのに役立ちます。特に女性は骨粗鬆症予防の観点から、カルシウムが豊富で吸収効率も良い牛乳乳製品の摂取が大切です。
参考/Jミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版
運動後速やかに牛乳を摂取すると筋肉の成長や修復を促す効果があると言われています。運動終了直後は体内のタンパク合成能力が非常に高くなっているため、乳タンパクを摂取すると筋肉量アップが期待できます。
参考/Jミルク 牛乳乳製品の知識 改訂版
ダイエット中に牛乳を摂取すると、アミノ酸スコアの高いタンパク質や、カルシウム、リン、ビタミンAやB2などの不足しがちな栄養素を補うことができます。ダイエット中は特に栄養が偏りやすく、肌などの新陳代謝に必要な栄養素をバランス良く摂る事が難しくなり、肌荒れが生じやすくなります。牛乳には、肌の材料であるたんぱく質の代謝を高めるビタミンB2、肌の乾燥を防ぐ作用があるビタミンAが含まれており、ダイエット中にこそ必要な食品と言えます。カロリーが気になる場合は低脂肪牛乳にするなど工夫してみましょう。
参考/一般社団法人 日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A、一般社団法人 Jミルク 美人は日々作られる
牛乳を使用したかぼちゃのスープは栄養を摂取できるだけでなく、生クリームを使用したものに比べるとさっぱりとした味わいでカロリーダウンにもなります。
・かぼちゃ 240g(たねとわたを取り除いた分量。1/8くらいのサイズ)
・玉ねぎ 20g
・バター 大さじ1
・水 350ml
・固形ブイヨン 1個
・牛乳 350ml
・塩 小さじ1
・パセリ 少々
・クルトン 少々
① かぼちゃの皮をむき5mmの厚さに切り、玉ねぎは薄切りにします。
② 鍋にバターと玉ねぎを入れて火にかけます。玉ねぎが透明になったらかぼちゃを入れて油をなじませます。
③ 鍋に水350mlと固形ブイヨンを入れてかぼちゃが柔らかくなるまで煮ます。
④柔らかくなったらミキサーやブレンダーなどでピューレにします。
⑤ 牛乳350mlを加え、塩で味を整えます。濃い味つけが好きな方は、塩の量を調節したり、砂糖、しょうゆを少し入れたりすると味にコクがでますよ♪
⑥ 弱火で温め、沸騰直前になったら火を止めます。
⑦ パセリとクルトンをかけたら完成です。
朝起きたら、まずはカーテンを開けて日の光を浴びる習慣をつけましょう。
目覚めてから14~16時間経つ頃に、周りが暗くなると、睡眠物ホルモンであるメラトニンが分泌され、体温が下がり眠気を感じるようになります。
寝る1~2時間前に39~40℃程度のぬるめのお湯につかることで、寝る頃に体温が下がり、眠りにつきやすくなります。熱いお湯は体温が下がりにくくなるので、どうしても熱いお湯につかりたい場合は就寝の2~3時間前に済ませるようにしましょう。
強い光には覚醒作用があるため、寝る時間が近づいているときに強い光を浴びてしまうとなかなか眠れなくなってしまいます。寝る15分前には部屋の照度を落とすようにしましょう。
ラベンダー、ベルガモット、カモミールのアロマには緊張や興奮を抑制する効果があります。アロマディフューザーなどの専用の機械がなくても、ティッシュにアロマオイルを染み込ませ、枕元に置くだけでOKです。香りにつつまれ心身ともにリラックスできるでしょう。また、今では寝具に吹きかけられるスプレータイプのアロマもあり、シュッと吹きかけるだけで香りがひろがり手軽に使えるのでよかったらチェックしてみてくださいね。
ハーブティーの中でもラベンダーティー、カモミールティー、レモンバームティーには心を落ち着かせる効果があります。ハーブティーはカフェインを含んでいないので、寝る前のリラックスタイムにぴったりです。
牛乳はたくさんの栄養が含まれているだけでなく、牛乳を飲むと睡眠改善に繋がったり、骨の形成に役立ち骨粗鬆症予防になったりと多くのメリットがあります。また、飲むタイミングで効果が変わるので、目的に合わせたタイミングを選ぶと良いでしょう。ホットミルクにしたり、料理に使ったりすると飽きずに楽しめるので、牛乳を日常生活に積極的に取り入れてみてください。