栄養豊富でスーパー野菜とも言われているブロッコリーは、茹でたものをそのまま食べても美味しいですし、油で調理すると栄養の吸収率がアップするともいわれています。この記事では、ブロッコリーの食感が楽しめる茹で時間をはじめ、下ごしらえの方法や茹で方のコツについてもご紹介します。
①切ってから洗う?そのまま洗う?
②ブロッコリーの洗い方
③小房に分ける
④茎も無駄なく使いましょう
①ブロッコリーの茹で時間は固めなら1分~1分30秒、
ほどよい固さにするなら3分がおすすめ
②好みの固さにしたい場合の茹で時間
③固さの目安と味わいの違い
④食感良く茹でるにはフライパンで蒸し焼きがおすすめ
⑤■番外編■スティックセニョール(茎ブロッコリー)は
フライパン調理がおすすめ!
⑥時短・手軽さを重視する方は電子レンジを活用
①冷凍するときは茹でたブロッコリーが便利
②冷凍保存期間のめやす
③冷凍したブロッコリーを使うときは解凍する?そのまま使う?
5.まとめ
ブロッコリーは、①小房に切ってから水につけ時間をおいて汚れを取る方法と、②株ごと洗う方法があります。ブロッコリーはビタミンCが豊富に含まれており、ビタミンCは水に溶けやすい性質があります。切ってから水につけ置き洗いは、切った断面などから栄養が流出しやすい状態になってしまうので、ブロッコリーは②株ごと洗う方法がおすすめです。
ブロッコリーの上部にあるドーム状になっているつぼみの部分を花蕾(からい)、その下にある小さな茎の集まりを子房(こぶさ)といいます。花蕾や子房の中には汚れがたまっていることがあるのでしっかり洗う必要があるのですが、ブロッコリーはブルームという白い粉で覆われているため、上から水をかけただけではブルームの油脂で水を弾いてしまい、よく洗うことができません。そんなときにおすすめしたいのは、洗濯機のようにグルグル回転させながら汚れを落とす「回し洗い」という方法です。
ブロッコリーの茎を持ち、逆さにします。大きめのボウルにたっぷり水を張り、茎の部分を持ちながらぐるぐると回転させながら洗います。そうすることで、汚れや小さなごみなどを綺麗に取り除くことができます。洗った後の水を見ると白い油のようなものが浮いていますが、これはブルームが流れ出たものです。農薬ではないのでご安心ください。
洗ったブロッコリーを小房に分けていきます。まずは、ブロッコリーの上部と茎の部分を切り離します。
次に、枝分かれしている茎の部分を1つずつ切り離します。大きい房は小さい房にサイズを合わせて切ると、茹でムラを防ぐことができますよ。
茎は皮を剥き、四角くなるように切っていきます。皮が取り除けたら、好みの厚さに切ってください。茎にもβカロテンやビタミンCなどの栄養が豊富に含まれているので無駄なく使いきりましょう。サラダやスープに入れるととても美味しいですよ。
大きめの鍋に水1.5Lを入れ、沸騰したら塩小さじ1を加えます。ブロッコリーの青臭さが苦手という方は、塩を少し多めに入れるとしっかりと下味が付くので食べやすくなります。
はじめに茎の部分から茹で、30秒ほど経ったあとに子房を入れます。茹でたブロッコリーの好みの固さは人それぞれですが、つぼみの部分はほどよく柔らかく、茎に歯ごたえが残るくらいの固さにするには3分程度の茹で時間がおすすめです。竹串でスッと通るくらいの固さが目安になります。冬のブロッコリーは他の季節に比べ柔らかく、火が通りやすいので茹で時間を少し短めにすると良いでしょう。
ブロッコリーを好みの固さに茹でたくても、何分茹でれば良いのかいまいち分かりませんよね。そこで、茹で時間ごとの食感の違いを画像にまとめました。※ブロッコリーの収穫時期や水、塩の量などで仕上がりが変化することもあるので、あくまで参考程度としてご覧ください。
上記の表は、水1.5L、塩小さじ1杯で検証しています。ブロッコリーのシャッキっとした歯ごたえが好きな方は茹で時間1分~1分30秒程、ホクホク感と歯ごたえどちらも楽しみたい方は茹で時間3分程がおすすめです。小さなお子様やご高齢の方が食べる場合は、4分以上茹でたほうが柔らかく食べやすくなります。使用用途や目的によって茹で時間を調節してみるといいでしょう。
茹でる時に注意したい点は、茹ですぎるとブロッコリーのつぼみの部分である花蕾が崩れてしまい、ビタミンやミネラルなどが減ってしまいます。栄養の流出を防ぐにはサッと茹でて水にさらさないことが大切です。
ブロッコリーのシャッキっとした食感が好きな方には、フライパンで蒸し焼きにする方法もおすすめです。作り方は、子房に分けたブロッコリーと水100CCをフライパンに入れ、蓋をして3分程度蒸したら完成です。
さらに、美味しく彩よく仕上げるコツは、フライパンで蒸し焼きにする際に、油を使う事です。はじめに、油でブロッコリーを炒め、次に水100CCと塩少々を加えた後、蓋をして3分間蒸し焼きにすれば完成です。
油を使うことにより、アクが抜けて旨みが凝縮されるのでより美味しく、色鮮やかな仕上がりになります。ブロッコリーは茹でると栄養が流出しやすくなるデメリットがありますが、油を使うと、ブロッコリーに含まれるβ-カロテンが油に溶けて体内に吸収されやすくなるので、栄養効果もアップするというメリットもあります。
参考/J-オイルミルズ 油脂の役割
ブロッコリーには、通称:茎ブロッコリーと呼ばれるスティックセニョールという品種があります。スティックセニョールは通常のブロッコリーに比べ、茎の部分が細いのが特徴です。味はほんのり甘く、アスパラガスのような食感があり茎の部分まで美味しく食べられます。
スティックセニョールを美味しく調理するコツは、フライパン調理で、蒸し焼き時間を短めにすることです。そうすることでシャキッとした食感に仕上がります。スティックセニョールは、ブロッコリーに比べると全体的に細いため、火を通すとすぐに柔らかくなってしまいます。手順はブロッコリーと同じですが、火の通りが早いので、蒸し焼きにする時間は2分程度にしましょう。
色鮮やかなスティックセニョールをバターソテーにして、肉料理などの付け合わせると、料理がより一層色鮮やかで華やかになりますよ。
忙しい時は調理の時間をなるべく手短に済ませたいですよね。電子レンジは調理の時間を大幅に短くすることができるので、忙しい方にぴったりな方法です。ブロッコリーは電子レンジで加熱しても美味しく食べることができます。
ブロッコリーをしっかりと水洗いした後、ラップでブロッコリー全体を包み、耐熱皿にのせてから、電子レンジ600Wで3分加熱します。3分経ったら一旦取り出して、竹串で刺し、スッと通るようであれば取り出します。固いときは20~30秒ほど温めて好みの固さになるまで加熱してください。その後、ラップを外し、粗熱を取ってから子房に分けます。電子レンジで加熱する方法は水をほとんど使わないので、鍋で茹でる方法に比べると栄養の流出を防ぐメリットもあります。
ブロッコリーが茹で上がったらざるに取りますが、このとき、早く冷ましたいからと水にさらしてしまうと、ビタミンCが流出しやすくなるだけでなく、水っぽい食感になってしまいます。茹で上がったブロッコリーは水にさらさないようにしましょう。
茹で上がったブロッコリーは水気をよく切ったら、バットや平らなお皿に並べましょう。茹で上がったばかりの熱々のブロッコリーを重ねたままにしておくと余熱でさらに柔らかくなってしまうので、重ねずに1つずつ並べることがポイントです。また、つぼみの部分は水分が残りやすいので、そのままにしておくと変色や傷みの原因になるのでキッチンペーパーで水気をよくふき取りましょう。
茹でたブロッコリーを素早く冷ましたい時は、うちわで扇ぎ粗熱を取ってから、冷蔵庫に入れて10~20分ほど冷やします。
ブロッコリーを冷凍するときは茹でたものを使うと、使いたい時にすぐに使えるのでとても便利です。保存方法は、ブロッコリーの水気をしっかり拭き取り、子房が重ならないように保存袋に入れて冷凍します。冷凍するときのポイントですが、温かいまま冷凍庫に入れてしまうと庫内の温度が上がり他の食材の劣化に繋がる可能性があるので、ブロッコリーは冷めた状態のものを冷凍するようにしてください。
保存袋に入れた状態のブロッコリーの冷凍保存期間は、1カ月程度です。長期間保存すると、ブロッコリーの水分が失われ、乾燥し、味や香りが損なわれてしまう「冷凍焼け」という現象がおこりやすくなります。冷凍焼けを防ぎ、美味しく食べるには冷凍保存期間は1カ月程度がいいといわれています。しかし、冷凍庫内の環境や庫内の室温でも品質が左右されることもあるので、冷凍保存期間は約1カ月というのは、あくまで目安としてお考え下さい。長期間冷凍保存すると味が落ちやすくなるので、なるべく早めに消費するようにしましょう。
冷凍したブロッコリーは解凍してもそのままでも使うことができます。サラダに使いたい時は冷蔵庫に移して半日解凍し、スープや炒め物に使いたい時は冷凍のまま使えるので、冷凍庫に常備しておくととても便利です。
ブロッコリーのつぼみの部分は青菜と同じようにすぐに火が通るので茹ですぎには注意しましょう。また、水分が残っていると変色の原因にもなるので、保存する時は水気をしっかりと取り、早めに消費するようにしましょう。すぐに消費できないときは冷凍保存もおすすめです。栄養豊富なブロッコリーは、彩も良く、料理にプラスするだけで一気に華やかになります。ブロッコリーを日々の食生活に摂り入れ、健康的な生活を送りましょう。