ほうれん草は年間を通して購入しやすい野菜ではありますが、旬である冬のほうれん草は夏場のものに比べて栄養価が倍以上となり、収穫直前に霜に当たったものは繊維がやわらかくなって甘みが増し、アクが少ないという特徴があります。また、ほうれん草はビタミンCや鉄分を豊富に含んだ栄養価の高い緑黄色野菜として人気があり、「緑黄色野菜の王様」と呼ばれています。ご家庭でも人気の高いほうれん草ですが、茹で時間は何分が良いのか分からず、つい茹ですぎてしまうという事はありませんか?この記事では、ほうれん草の茹で時間や茹で方、茹でる方法によって栄養は変わるかについて解説していきます。
①大きいボウルに水を張ってほうれん草をしっかり洗う
②根元に切り込みを入れる
①ほうれん草の茹で方
②ほうれん草の茹で時間は40秒~1分がベスト!
③ほうれん草の茹ですぎのサインとは
④ほうれん草はアクが強いので電子レンジでの加熱は不向き
①ほうれん草に含まれるビタミンは水に溶けやすいので、
短時間でサッとゆでましょう
②ほうれん草は切ってから茹でる・そのまま茹でるのは
どちらがおすすめ?
①ほうれん草のお浸し
②ほうれん草のナムル
5.まとめ
大きめのボウルにたっぷり水を張り、ほうれん草全体をしっかり洗います。葉には虫がつきやすく、根元には土がたまりやすいので、汚れがついている部分には直接流水を当てて汚れを落とします。下洗いを丁寧に行うことで、ほうれん草が水分を吸ってシャキッとした食感になります。
根元が太いほうれん草は火が通りにくいので、ほうれん草の根元部分に十文字で切り込みを入れます。切り込みを入れることで火が均一に通りやすくなります。切り込みを入れる際は、包丁の刃先に気を付けながら切るようにしてください。
下ごしらえが終わったらほうれん草を茹でていきます。鍋に2Lの水を入れ、沸騰したら塩小さじ1を加えます。ほうれんの葉先の部分を手で持ちながら、根元から先に鍋に入れます。10秒程根元と茎の部分を茹でてから、ゆっくりと葉の部分を鍋に入れていきます。全体が鍋に入ったら均一に火が通るように菜箸で軽く動かします。30秒程経ち、ほうれん草の色が鮮やかになってきたら、水が入ったボウルに引き上げます。ボウルの水を数回替えて、ほうれん草をよく冷ますようにしましょう。ほうれん草が冷めたら束をそろえて手でよく絞り、レシピに合わせた長さに切りそろえたら完成です。
ほうれん草は茹ですぎると食感が悪くなるので、根元と茎の部分で10秒程、全体を入れてから30秒ほどで一気に茹でましょう。茹で上がったらすぐに水の入ったボウルに入れ冷ましましょう。40秒~1分程で茹でたほうれん草は歯ごたえと風味が感じられとても美味しいですよ。
ほうれん草を束ねてからやさしく水気を絞りますが、絞るときにほうれん草がぐしゃっとする感触がする場合は茹ですぎのサインです。通常、水気を絞るときは締まりのある感触がします。茹ですぎは食感が悪くなるだけでなく、栄養も流出しやすくなるので茹ですぎには注意しましょう。強い力で水気を絞るとほうれん草の繊維を壊してしまう原因になるので、やさしく絞ることがポイントです。
ビタミンCを含む野菜の多くは、茹でるよりも電子レンジで加熱するほうが、少ない水の量で短時間で加熱できるので、ビタミンCの残る割合は高くなります。しかし、ほうれん草はアクが強く、電子レンジでの加熱だけではアクの原因であるシュウ酸を取り除くのが難しいので、ほうれん草やアクの強い野菜は鍋で茹でる事をおすすめします。
野菜によっては、電子レンジ加熱に適しているものもあるので、上手に使い分けしましょう。
参考/東京都保健医療局 電子レンジで加熱調理すると、電子レンジの電磁波がビタミンなどの栄養素を破壊すると聞きましたが、本当ですか。【食品安全FAQ】
ほうれん草はアクが強いので下茹でが必要です。アクは茹でることで除去することができますが、反対に、ほうれん草に含まれるビタミンCは加熱すると壊れやすくなるという性質があります。ほうれん草を茹でるときは、ビタミンCの流出を極力防ぎつつ、アクが除去できるよう短時間で一気に茹でる事がポイントです。
ほうれん草は切ってから茹でても、そのまま茹でても問題ありません。切ってから茹でると手間が省け、効率的に調理することができます。忙しい方や調理の時短を図りたい方は切ってから茹でる方法がおすすめです。反対に、おひたしなど見栄えを重視する料理の場合は、手間はかかりますが、そのまま茹でてから切るほうが綺麗な見た目に仕上がります。
では、栄養の観点から比較するとどうでしょうか。
栄養的には、そのまま茹でてから切ったほうが栄養の流出を抑えられるということが実験で検証されています。切ってから茹でる方法は、切った断面から栄養が流出しやすくなるので、そのまま茹でる方法に比べると残存率がやや低くなってしまうのです。それぞれにメリット、デメリットはありますが、ご自身のライフスタイルに合わせて使い分けをしてみてはいかがでしょうか。
引用/2019年2月15日 発行:女子栄養大学出版部 女子栄養大学 料理のなるほど実験室 監修:吉田企世子(女子栄養大学名誉教授)、松田康子(女子栄養大学調理学研究室教授)、奥嶋佐知子(女子栄養大学調理学研究室准教授)
①茹でて、水気を絞ったほうれん草を4cmに切ります。
②☆を鍋に入れて沸々としてきたら火を止め、ボウルに入れて、冷蔵庫で冷まします。
③ほうれん草を②のボウルに加え、冷蔵庫で30分~1時間ほど冷やしたら完成です。
①茹でたほうれん草を3cmの長さに切ります。
②ほうれん草の水気をしっかり絞ります。
③ほうれん草に☆をまぜたら完成です。
ほうれん草は鉄分やβカロテンなどの栄養がたっぷり含まれており、健康に良く積極的に摂取したい野菜です。また、一度に食べきれなくても冷凍保存ができるので上手に活用しましょう。下記の記事では、ほうれん草の保存方法やおいしいほうれん草の見分け方、大量消費レシピを紹介しています。よろしければ是非参考にしてみてください♪
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