夏から秋にかけてが旬のぶどう。
栄養と水分をたっぷり含んだジューシーなぶどうは、古代から食用、お酒の原料、さらには薬としても重用されてきました。
近年は巨峰、ピオーネ、デラウェアなどだけでなく、人気のシャインマスカットなどに続き数々の品種が誕生しており、種なしで食べやすく、粒が大きくて甘いものが主流となっています。
ぶどうの栄養素や、最近人気の新種ぶどうなどについてご紹介します!
紀元前3000年前から、中近東ではすでに栽培が開始されていたと言われているぶどう。
当時は、食用ではなく主にワインの醸造用として栽培されていたのだそう。
日本には、中国を経由して奈良時代に輸入されてきたぶどう。
鎌倉時代には山梨で栽培が始まり、この地域の特産品として明治時代ごろまで人気を得ていたのだとか。
今でもワイナリーが多い山梨ですから、日本で初めてぶどうの栽培がスタートした地というのも納得ですよね。
種類 | 主な品種 | 特徴 |
---|---|---|
黄緑系 | シャインマスカット | 渋みがなく、芳醇な香り |
赤系 | デラウェア | 小粒で甘みが強い |
黒系 | ピオーネ | 甘み×酸味のバランス◎ |
ぶどうは大きく黄緑系、赤系、黒系に分けられ、黄緑はマスカット、赤はデラウェア、黒は巨峰……といったような分類となっています。
品種は多数ありますが、種類によって特徴や味わいが異なります。
ワインはもちろん、そのまま食べる場合も、自分の好みのぶどうを探してみてはいかがでしょうか。
おいしいのはもちろん、栄養も豊富なぶどう。
含まれている主な栄養素とその効果をご紹介します。
⚫︎ポリフェノール
ぶどうには抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれています。
特に、赤や黒のぶどうの皮に多く含まれるレスベラトロールは、心血管の健康をサポートする働きがあると言われています。
⚫︎ビタミンC
免疫の強化や肌の健康維持に役立つビタミンです。
⚫︎カリウム
高血圧予防や筋肉の正常な機能をサポートするミネラルです。
⚫︎フラボノイド
これも抗酸化作用を持つ化合物で、心血管の健康をサポートします。
⚫︎ビタミンK
骨の健康をサポートし、血液の凝固にも関与します。
⚫︎ビタミンB群
体内のエネルギー代謝を助ける他、神経機能の正常な動きをサポートします。
ぶどうの房に「ジベレリン」という液体をつけることで、種が形成されなくなります。
ジベレリンは植物が自然に持っているホルモンで、その使用に関しての安全性は確立されています。
実は、日本は種なしぶどうの研究の先駆けとして知られています。
山梨県の果樹研究所でデラウェアの果粒が密集し過ぎて裂けるのを避けるための研究中に、ジベレリンの使用が種の形成を抑える効果があることを発見したのが始まりだったのだそう。
種なしぶどうは食べやすく、子どもにも安心して食べさせられますよね!
スーパーなどでぶどうを買うとき、注目したい選び方のポイントをご紹介します。
⚫︎色とブルーム
ぶどうの色が濃く均一で、鮮やかなものを選びましょう。
皮は、ブルーム(白い粉のようなもの)で覆われているものがおいしい証拠!
ブルームは、脂肪酸などでできた天然成分が皮の表面に浮き出たもの。
生産者はなるべくこのブルームを落とさないよう丁寧に扱っているほどです。
⚫︎茎の色
茎が新鮮で、太くしっかりしており、緑色のものを選ぶとよいでしょう。
茎が乾燥していたり、茶色くなっているものは収穫してから時間が経っている可能性があるため、避けた方が無難です。
⚫︎房の詰まり具合
粒がギュッと密集しており、房がぎっしり詰まっているものは新鮮。
逆に、粒がポロッと取れやすかったり、房が緩んだり萎びているものはやめておきましょう。
また、傷や変色などがないかもチェックしてみましょう。
⚫︎重い=ジューシー!
ぶどうを手に取り、重さを比べてみましょう。
重いものの方が果汁が詰まってジューシー!
弾けるおいしさが期待できますよ。
ぶどうはあまり日持ちするフルーツではないため、購入したらなるべく早めに食べ切る方がいいでしょう。
保管は野菜室で、乾燥しないように袋や新聞紙などで優しく包んでおきましょう。
また、房から粒を外すとどんどん新鮮さが失われてしまうので、茎のまま保存しておくことがポイントです。
食べる時は、野菜室から出して10〜20分ほど置いてから食べる方が甘みを感じやすいですよ。
おいしいぶどうとしてシャインマスカットが人気ですが、近年はそれを超えるとも評される品種が続々登場!
一度食べたらやみつき間違いなし⁉︎
シャインマスカットを親にもつ、新しい交配品種たちをご紹介します。
⚫︎クイーンルージュ
「ユニコーン」と「シャインマスカット」を交配し、長野県で生まれたぶどう。
シャインマスカットよりも強い甘みと、真っ赤な皮が特徴的。
種なしで皮ごと食べられる大粒なぶどうで、生産数も少なく、見かけたらとってもラッキー。
その存在感はまさにぶどうのクイーンと言っても過言ではありません!
⚫︎富士の輝
「シャインマスカット」と「ウィンク」を交配して生まれた山梨県産の高級ぶどう。
「ブラックシャインマスカット」とも呼ばれる富士の輝は、糖度が最大30%に達する個体もあるほどの甘さを持ちます。
一粒一粒が蜂蜜のようなコクのある甘さで、皮にまで旨味が詰まっています。
他の品種では味わえない特別なおいしさです。
⚫︎雄宝
「シャインマスカット」と「天山」を交配し育成された、皮ごと食べられるぶどう品種。
しっかりシャキッとした果肉で、酸味はほぼなく、さっぱりとした甘さが特徴。
大粒で食べごたえがあり、果汁もたっぷり。
熟すと透明感のある黄金色になり、見た目にも美しいぶどうです。
夏から秋にかけて、いろんな種類のぶどうが出回ります。
9月のぶどうは旬を迎えておいしい品種がいっぱい!
今までトライしたことのない品種にも挑戦してみては?