秋が近づくと、ファストフード店などで「月見」メニューが盛り上がりますよね。
実際のお月見は夜空に浮かぶ月を眺めて楽しむ伝統的なイベントですが、今年の十五夜は9月29日!
せっかくの十五夜を楽しく過ごすために、その起源や風習、食べ物などについて探ってみました。
「十五夜」と「お月見」、どちらも言葉としては知っているけれど、「何が違うの?」と言われると困ってしまいますね。
どちらも同じ意味として使用されることが多いですが、実際は微妙に違いがあります。
お月見は、秋の満月を見て楽しむ行事全般を指す言葉。
十五夜は、旧暦の8月15日の夜に行われるお月見のこと。
この日の満月は、「中秋の名月」と呼ばれ、1年で最も美しい月が昇ると言われています。
お月見の起源は諸説ありますが、ひとつは古代中国に遡るとされています。
秋の収穫を神々に感謝し、次の年の豊穣を祈願する「中秋節」が平安時代の日本に伝わり、独自の風習として発展していったと言われているのだとか。
当時は平安貴族の間で月を愛でながら宴会をする名目で行われていた行事でしたが、江戸時代になると平民にもその風習が広がり、平民の間では元の通り、収穫を感謝したり豊作を祈るイベントとして十五夜の文化が根付いていったのでした。
現在では家族や友人と一緒に月を眺めながらお団子などを食べたり、平安貴族のように詩を詠んだりして過ごすなど団欒のイベントとして過ごす人が多いようです。
十五夜のお月見には、決まった食べ物や装飾が欠かせません!
昔の人たちに思いを馳せながら、伝統的な十五夜を楽しんでみましょう。
⚫︎お団子やさつまいも
代表的な食べ物は、お月見団子や栗、さつまいも。
特に白いお月見団子は、月の明るさや丸みを表現しており、美しい月に見立てたお団子を食べることで、その年の豊作を感謝します。
栗、さつまいもなどの芋類は、この時期よく収穫できたことからお祝いの意味で食べられるようになったそうです。
⚫︎すすきの穂
すすきは実った稲穂を連想させることから、豊作の象徴とされており、十五夜に飾ることで縁起が良いと言われています。
地域によっては、十五夜で飾ったすすきを庭や玄関に吊るし、災いから家や田んぼなどを守る風習が続いているところもあるようです。
十五夜の伝説として有名なのが、「月でうさぎがお餅をついている」というもの。
実はこの言い伝えは日本だけではなく、アジア全般で言われている話だそうです。
起源には諸説ありますが、古代インドで言い伝えられている『ジャータカ物語』(前世物語)では、うさぎがブッダの前世として描かれています。
飢えた老人の前に現れたうさぎは、自らの身を焼いて老人に差し出そうとしますが、火がつかなかったため、うさぎは天井の神々にその意思を知らせます。
感動した神々は、うさぎの姿を月に刻みその尊さを賞賛した、という物語が残されているのだとか。
中国や日本の昔話でも、うさぎが月で不老不死の薬を作っていたり、餅をついているなどといったお話が言い伝えられています。
古くから続く日本の伝統行事であるお月見。
食べるものは、お団子ではなく、お芋の入ったお味噌汁や月見うどん、はたまたハンバーガーなどでも構いません。
この日はお月様を見上げながら、家族で楽しい時間を過ごしてみてはいかがですか?